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メール・マガジン
「FNサービス 問題解決おたすけマン」
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★第068号 ’00−11−17★
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ほーら、来た!
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●「英語の波に
呑み込まれる日本企業。 その時、一人一人のビジネスマンは、
その波を乗り切れるのか? いま試練の時、、」
いずれ聞くことになる、と思っていた通りの科白が、NHKTV
1チャンネルで漸く。 ほーら、来た!
でしょ?
この何回か綴って来たことを裏付けてくれるような内容でしたね。
お気づきになったとは思いますが、、
*
たとえば「エンジニアが自分で商品を売り込む、、」、
NECの英語教育が中堅エンジニアに重点を置いているのは、そう
いう時代だから、、 というナレーション。
ひたすら<誠意>で、とか、ただ「お願いします」の体育会系営業
じゃ通用しない、、 とまでは言わなかったが、要するに作る側、
売る側の論理で押しまくるのではダメ、ということ。 しかし、
お客様は神様、何でもおっしゃるように、、 は出来ない。 モノ
にも人間にも原理的限界がある。 無いものねだりは不毛の論議、、
持っているコンテンツで、相手のニーズをどのように満たせるか?
話をどの辺に落ち着かせれば、お互い、当面の満足としうるか?
を技術的に説得しなくてはならない、、 と言えばアタリマエです
が、それを英語で、となると、、 こりゃ大変。
* *
<大変>を克服できるかどうか、はその人の内なる<動機>次第。
言い換えれば、どう取り組むか、の<姿勢>。 何が何でも英語
で成果を挙げようという意欲、要するに<心>の問題です。 が、
心理技法の研修じゃなし、一般的な技能研修では<心>について
まで指示することなど滅多にない。 それは
Rational Processも同様、だから「おたすけマン」サービスを始めたくらい。
英語研修でも受講者自身、注意力や感受性を<心>に向けること
が必要です。 英語教材の文字面や講師の解説に<心>が必ず
出て来るとは限りません。 なのに受け身で構えているようでは、
<形>だけだった学校英語と大差なく、結局使い物にはならずに
終わるでしょう。
しかしさすが、企業の英語研修は実際的。 <心の用い方>を
教えていましたよ。 必ずしも体系的ではなかったけれど、、
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●そのNECの英語特訓
3週間コースに参加したSさんの例。 2カ月後アメリカへ赴任
と決まって急遽、、。
ビジネス交渉の専門家でもあるという英国(風の喋り方の)女性
講師に、電話、訪問、会議などの場面設定でロール・プレイング
を課せられ、、 どれも出来は良くなかったが、
それぞれについての講評で彼女、受講者たちの英語自体が下手だ、
とは言わない。 それは時間の問題、、 でしょうからね。
厳しい指摘はもっぱら<何のため? それで?>。 たとえば、
*
「2時半に来てくれ」と言う顧客に、Sさんは「じゃ、2時45分
に、、」と応じたのですが、、 これを彼女、「何故遅らせた?」
行く前に打ち合わせが必要だから、、とSさん。
それは何のため? 彼女は迫る。
相手は顧客だから、、 あいまいに答えるSさん。
いや、交渉を有利に導くにはプレッシャーをかけなくちゃ。
Thesooner, the better! 早めるべきだ、電話を入れ直すべきだ、
と畳みかける彼女。 おお、アグレッシブ! その表現も、
「じゃ、earlier ?」とSさんは穏やかだが、
「いいえ、urgent! 」と彼女。 <圧力>なのだから、と。
電話をかけ直す、約束を取り直す、という行動。 それは漫然と
思い付くわけではない、特定の<狙い>にもとづいてのこと。
なら、それにふさわしい語彙を選ばなくちゃ、、 という指摘。
その<心>構えでなかったら、狙い通りの成果は得られまい、、
ビジネスは成果を得るための活動。 ビジネス英語はただの
社交会話じゃないんだ。
* *
「打ち合わせ」はSさんの<思いつき>らしかったが、日本的
業務運営ではよくあること。 独断専行と見られちゃまずい、
関係者の了解を得ておこう、、 あとでモメるよりは、先に、
(僅かの)時間をかけ、打ち合わせておこう、、
しかし、塵も積もれば<僅か>ではなくなる。 タイミングを
逃せば、成果が得られないことにもなり得る。 まさか、その
方が良い、と思ってるわけじゃ? と言わんばかりの彼女。
モメないことを大切にする日本人と、成果指向の欧米人の差。
失礼を顧みず<邪推>すると、Sさん、<NEC社での日常>
を演じてしまったのではあるまいか。
* * *
顧客の要求には最大限応える。 が、自分側の有利を確保する
ため、相手に圧力をかけることも必要、、 という見方で評価
すると、Sさんの応じ方はそのどちらにも<なってない>。
およそ日本的には、<顧客に圧力をかける>ことなど、滅多に
考えないのではあるまいか。 顧客の圧力にどう耐えるかを
考えるために<打ち合わせ>ることはあっても、、 ね。
しかし彼女、" Pressure! " と繰り返しましたよ、厳しい語調
と表情で。 アチラ風<交渉>の基本姿勢そのもの、でしたな。
国際ビジネスで我々が対面する相手は、そういう精神構造の人
たちなのだ、と心に留めておく必要があります。 つまり、
たまたまSさんが提供した良い?例を逃さずに活用した彼女は、
英語だけでなく<心>を教える講師だった、と言えるでしょう。
それにしても我々日本人、<是非すべきこと>に絞って考える
べきを怠り、つい
Self-centered な行動に走りがちです。
どうしても必要なら、客先へ向かって歩きながら<打ち合わせ>
ることも出来る。 時間をもらうほどのことじゃなかろう、、
しかし、それもオカシイ。 何を打ち合わせるのかね?
初めての呼び出しなら、とにかく行って聴くことが先でしょ?
つまり、打ち合わせるべきコンテンツが未だ無い、ということ。
交渉進行中での呼び出しなら、<前回まで>に基づいて当方の
対応はすでに決まっているはず。 呼び出しがかかってから
改めて打ち合わせるなんてドロナワは、しちゃいけません。
でもやはり<打ち合わせ>が必要、だとすると、それは、
担当者の怠慢か、業務運営システムの不備か、、 かも。
そんな状態なら、今さら慌てて打ち合わせても、たいして
良いことにはなるまい。
やはり、<打ち合わせ>はナンセンス。 顧客の要望に沿わ
なかった、というマイナスだけ形に残る。 こりゃ、まずい。
吟味して改良すべき点、多々あるように思われます。
* * *
<プロセス>で補うとすれば、「行動に移る前一瞬、チェック
をかけること」。 2時45分、と答えるので良いかな? と。
その行動の<狙い>は何か。 そのようにすることによって、
何かまずいことは無いだろうか、と。 つまり、
DAの
< WANT > と<マイナス影響>。 これらにチラリと目を走らせるだけでも、かなりCS効果を生むことが出来ます。
人間行動の大半は<習慣>に支配されているそうで。 それは
言い換えると<無意識>、さらに言い換えると<暗算的行動>。
打ち合わせてから出よう、、 も<習慣>だったのでは?
だから速いし、定型現象の中でなら外れは少ない。 それで
済ませられることなら、そうして良い。 当然です。
しかし、ビジネスには<非定型>が伴う。 特に<電話>は
一種の条件反射なので、暗算になりがち。 それだけに、
<一瞬のチェック>が<習慣>に織り込まれるまで<意識>し
続けることが必要なのです。
Sさんが<2カ月後>いる場所は<これまでの定型>外、
しかも<異質>の本場。 <習慣>を作り直さなくちゃ、、
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●さらに<会議>では、
自分の考えをまとめ、相手に伝え、妥当な結論(彼女の言葉では
<
decision >、それが字幕に出ると<結論> )を導き出すことが必要です。 会して議するからには、<決>しなくちゃ。
ただ熱心に喋ってもダメ。 相手が納得する話に組み立てない
ことには、どんな言い分も通らない。 アタリマエなのだが、、
*
出されたテーマは「海外進出先の選定」。 Sさんは議長役を
命じられました。 メンバーは各候補地の利点を主張し合い、
1時間で決めなくてはならない、、 という設定でしたが、、
皆さん<熱心に喋った>だけ。 <組み立て>、<説得>なし。
2時間を費やして、ついに結論出ず。 こりゃあ、落第だぜ!
彼女、Sさんに迫りましたよ。「この
outcome に満足しているのか?」、「会議の終わり方はそれで良いのか?」とね。
もちろん彼女の判定はどちらも<
No >。 まあ私の目には、平均的な日本人の会議、に見えましたがね。 議して決せず、
彼女の質問にテキパキ答える人がいなかったところからすると、
<結論>に向け、<筋>を念頭に置いて喋った人はいなかった
、、ようでした。
やはり、日本の常識は世界の非常識、、 なんだよなあ、、
* *
どの候補地にもそれなりの利点はある。 (無ければもともと
候補に挙がるわけが無い、アタリマエ!)
たとえば政府の援助、税制などの制度的優遇、教育制度の充実、
良質な労働力、低廉な人件費、市場や競合、エトセトラ、、
似たり寄ったり、あるいは全く同じ。 互いに主張し合っても、
それで勝負はつきません。 しかし何故か、自分が肩を持つ気
になった候補地にコダワルのが人情。 話は長引くばかり、、
皆さん大真面目、指示通り<利点の主張>に努めました。 が、
それでは<コンテンツ>を並べ合っただけのこと。 それらを
まとめるには、何を採るか、どれを棄てるかの判別基準が必要。
なのに、その議論は(少なくともルポ画面には)無かった。
即ち<プロセス>の部分を欠いた議論。 即ち<処理>せず。
だからまとまるわけが無い、結論は先送り。 おお、日本的!
* * *
「英米では、会議は結論を出すためのもの。 情報収集のため、
と日本人同士なら了解するが、外人には理解されない。 明確
な構造と手続きを与えなければ、国際的な場では通用しない」、
と彼女。 会議には意思決定できる人物が参加しているもの、
と信じているようでもありました。 アチラじゃそうなので
しょう。 コチラじゃ、わざと席を外したりなさることも、、
「本社に確認しよう、で終わるのは、国際的にはルール違反!」、
初めは「この会議に外人が加わっていたら、イライラしたはず」
としていた彼女、「私も
Very, very frustrated ! だった、会議の仕方から変えなくては、、」とも言ってましたな。
あなたなら、どんな<会議の仕方>になさったでしょうね?
もちろん、
Rational Process のDAで、でなくちゃ、ね。
* * * *
資本投下額、取得時期、所要面積などは数値的条件、即ち
MUST 。いくつ候補地があろうと、これに引っかかる物件は直ちに排除。
それだけで、ずいぶんスッキリします。
その他の利点は全て
WANT 。 いくつあっても良いが、どれもが同じ<重み>ではなかろう。 課題としての最重要項目に
10 、それとの対比で他の
WANT には 9〜1 の<重み>を与える。
次、それぞれの
WANT ごとに、各候補地が提供するであろう利点を具体的に記述し、それらを横並べにして評価する。 最も有利
な内容を有する候補地が<得点>
10 、それとの対比で他候補地に
9〜1 の<得点>を配する。
そのあと、各
WANT ごとの<重み>と、その WANT に関してその候補地に与えられた<得点>を掛け合わせる。
そして、候補地ごとに、その積を累計する。 はい、出来上がり。
メリットだけで評価して決めろ、という指示でしたから、これで
一応OKとして宜しい。 1時間なんてかかりっこない。
これが一つの
< decision > を導き出すための、「国際的な場で通用する、明確な構造と手続き」なのです。 ホワイトボード
に縦横、マトリックスを組んで見せれば、ガイジンさんたちにも
理解されること請け合い。 もちろん、
正しくは、さらにマイナス影響の評価まで行なうべきですがね。
いずれにしても難しくはない、アタリマエ、コロンブスの卵、、
聞かされれば、ナーンダそんなこと?と誰でも思うくらいだが、
そうするか、しないか、の差はあまりにも大きい。 時間の
枠内に収めて判断が下せるか、<収められず下せず>になるか。
それが、使える奴、使えない奴、の違いというものでしょう。
* * * * *
後でS氏、「ただ英語でなく、コミュニケーションする能力が
必要と感じた、、」など述べておられたが、ちょっと待った。
たしか御社の合い言葉は<C$C>。 それにしては
(コンピュータのように)速くなかったし、コミュニケーション
は(ご自身お分かりのように)うまく行かなかった。
海外拠点で<本社から来た人>が<使えない奴>だと見られて
は、さぞ業務の遂行にも差し支えが生じることでしょうな。
ペラペラの方はいずれ何とかなるとしても、<心>が<日本人>
のままではまずいよ、、 とまで彼女は言わなかったが、あの
表情、真剣に心配してくれていたこと、間違いなし。
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●英語研修を受ける人
は沢山います。 が、<心>を体得する人は多くない。
<心>抜きでは、いくら喋っても成果は挙がらず、下手すれば
マイナスを生む。 それがビジネス英語なら、やはりビジネス
本位の<心>でことを運ぶ必要があります。
彼女のような講師なら、かなり的確に指摘してくれるでしょう。
けれどもそれは、必ずしも体系的ではあり得ない、、 だから
何か<方法的手がかり>を持たねば、、 で、今回のCM。
Rational Process は、英語の<心>が分かるツール!
■竹島元一■
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